【インタビュー】スポーツと教育の融合。ベトナムに、日本式サッカースクールを—北口遥基

2014/9/22

数多くのサッカークラブがあるベトナムにおいて、「日本式」を掲げ、教育との融合で事業の拡大を目指すサッカー指導者・北口遥基氏。ベトナム人スタッフと共に取り組むスポーツ育成ビジネスへの熱意と、ベトナムの今を語っていただいた。

—事業のご紹介をお願いいたします。

ベトナムのホーチミンで、日本式サッカースクールを運営しています。自分はずっとサッカーをしてきて、スポーツを通じて多くのことを学びました。ただベトナムには、日本で言う部活動もないため、体育のような考え方もないんですよね。僕はここで、サッカーを通じて、ベトナムの子どもたちに生きる力や仲間と協力することの大切さを伝えていきたいと思っています。
ベトナムにももちろんサッカー教室はありますが、彼らは技術を教えるだけです。それは先ほどもお話しした教育と結びつける考え方を持っていないためで、我々はそこで他のクラブチームとの差別化を行っています。他のクラブに比べれば授業料も高いと思いますが、その対価に見合ったサービスを提供しているという自負は持っています。

photo_kitaguchi_02—現在のスクールの規模はどれくらいですか?

今はホーチミン市内の計5箇所でサッカー教室を開いています。最年少の生徒は3歳で、上は15歳。今のところベトナム人の子どもが9割で、日本人とのハーフが1割くらいです。2014年1月にクラブを立ち上げてから、チラシと口コミで少しずつ認知度も高まって今では生徒数も150名まで伸びました。

—クラブにはどういった子どもたちが集まっているのですか?

他と比べて授業料を高く設定していることもあって、我々のサッカー教室は本当に育ちのいい子たちばかりですね。ベトナムって、公立でも質の高い学校とそうでない学校の差が大きいんですよ。日本だとある程度一律ですよね。ただここだと、公立の中でも差があります。
教育に熱心な方や経済的に裕福な方は、自分の子どもを良い学校やインターナショナルスクールに通わせていて、普通の学校に通っている子どもの家庭だと、我々のサッカースクールに通う余裕はおそらく無いと思います。それは、営業で学校をまわっている時にも感じましたね。このクラブで学んだ生徒たちが将来ベトナムを引っ張る存在になって、教育水準の改善にも取り組んでくれることを期待しています。

—スタッフは何名いらっしゃいますか?

僕の他に、ベトナム人のスタッフが2名と、アルバイトの方が2名で計5人です。日本のサッカー育成システムをベースに置いているため、指導は僕が日本語で行って、スタッフがそれをベトナム語に訳して子どもたちに伝えています。技術も大切ですが、やっぱり人間のベースとなる、礼儀や挨拶、人格形成の教育を重視しています。

—ベトナムの暮らしはいかがですか?

とても面白いですよ。僕、実はベトナムに来るまで海外経験は全く無くて、旅行でも韓国しか行ったことが無かったんですよ。それもサッカーの試合とかで。住んだことは今まで無かったです。でも一緒ですよ、ベトナムも日本も。特に不自由することもなく。
生活面で困っていることも全く無いですね。バイクも最初は怖かったですけど慣れました。バイクに乗ればベトナムの国民性が見えてきますよ(笑)。日本と違って道を譲り合うとかが全く無いのですが、そういった協調性や思いやりも、サッカーを通じてね、チームワークというか。まとめていければ嬉しいと思っています。

photo_kitaguchi_03—インターンを希望する方に、メッセージをお願いいたします。

サッカークラブなので、サッカー経験者をはじめ、スポーツや子どもが好きな方にはぜひ興味を持ってもらいたいです。実際に指導の現場に立っていただければベストですが、それができなくても、今僕が進めている新規事業に加わってもらえれば大丈夫です。1年くらいの長期で、一緒に働いてもらえればなお嬉しいですね。素直で、意欲的な方のご連絡をお待ちしています。
北口 遥基(Haruki Kitaguchi)
NPO法人アミティエ・スポーツクラブ
1985年生まれ。北海道出身。ベトナムにてサッカーを通じた人格形成に尽力。

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