カンボジアで住民たちが汚れた運河を清掃「環境を改善し、洪水を防ぐため」

カンボジアで住民たち

2014/9/12
プノンペンのミンシィ地区にあるゴミだらけの運河を、約90人の地元住人たちが4日間をかけて清掃した。この地域の住人たちは3年前、彼らが運河に捨てるゴミのせいで流れがつまり、洪水の一因になったと言われ、立退きを迫られていたという。
運河は全長約1.5キロで、その周辺では8つの地域で約540世帯が暮らしている。住人たちはミンシィ地区のスタング・ミンシィに集まり、「運河にゴミ捨て禁止」などの旗を掲げ、悪臭漂う運河とその周辺地域の改善を誓った。住人たちがNGOや地元当局と協力してこうした清掃を行うのは2013年以来これが3回目。彼らはこの4日間で数トンというゴミを引き上げたという。
市当局は彼らに2つの選択肢を与えたそうだ。1つは、他の場所に移転すること。そしてもう1つはこの土地を改善することだ。そして、最終的に住人たちは、学校や市場があり、都市部にあるこの土地を改善する方を選んだ。
胸までの深さがある黒い運河に入って掃除した人々の中には女性も3名おり、その中の1人は「悪臭にはもう慣れているけれど、水に入った最初はかゆくなる気がした。でも、がまんしたわ。環境を改善し、プノンペンの洪水を防ぐために掃除をしている。ここに住んでいることを責められたくないから」と語った。
市の職員は、「退去命令が出たことは知らないが、共に環境改善のため努力するのは良いことだ」と、この活動を歓迎している。清掃を手伝ったNGO職員も、「住人たちは、2013年に起こったプノンペンの大洪水は彼らのせいだという人々の非難に対して、前向きな行動を示したいと望んでいる。自分たちの手で運河をきれいにすることで、彼らは問題の原因なのではなく、解決の一助であることを人々と政府に対して証明することで同意した」と話している。